
人は、知らず知らずのうちに
鎧のようなものを身につけて生きている。
それは、日々のストレスだったり、
我慢や緊張だったり、
言葉にならない気持ちだったりする。
その鎧は、時に自分でも気づけないほど
深く、重く、硬くなっていることがある。
だから私は思う。
施術の時間は、
その鎧をそっと脱ぐための時間なのかもしれない、と。
先日、あるクライアントがこんなふうに言ってくれた。
「最近はお喋りが楽しくてここに来てるんです」って。
以前はエステそのものにとても真剣だった彼女が、
今は“言葉を交わすこと”そのものに癒しを感じている。
きっと、彼女の内側にあるものが、
少しずつ安心の中でほどけて、
ようやく言葉になってきたのだと思う。
私は、施術を通してただ体に触れているわけじゃない。
その人が背負っているものを、
ほんの少しだけでも下ろせるように、
そっと手を添えている。
鎧を脱ぐ瞬間があってもいい。
それは、誰にとっても必要な時間なのだと思う。
——あなたの鎧も、そっと置ける場所でありますように。
